“アメリカへのあこがれ”


それは約半世紀近くも前、当時小学生だ
った頃から徐々に培われていったものでし
ょう。


父が当時東京の米軍立川基地(現在の昭
和記念公園)の中で、商工会の仕事をして
いた関係で、毎月のように基地の中へ出
入りしていたことから始まります。


一歩基地の中へ入ると、そこは完全にアメ
リカ・別世界でした。


当たり前ですが、周りはアメリカ人ばかり
で、英語が飛び交う中、アメリカンな建物、
横文字の看板、はじめて手にするドル紙幣
など、日本にいながら、基地の中の全く違
う生活環境や異文化に触れたことは本当
に衝撃的でした。


特に子どもながらに興味を覚えたのは、マ
ーケットの中で見た、ラジコンやレーシング
カーといった夢のようなアメリカのおもちゃ
は言うまでもなく、高級そうな野球のグロー
ブやバスケットボールのゴールポスト、やた
らとでかいGEの冷蔵庫や洗濯機といった
大型家電の数々、日本の住宅では置く場
所もないほどのソファーセットやテーブルセ
ットなどなど・・・見るものすべてが珍しく、
なんてアメリカは豊かな国なんだろうと感
じざるを得なかったものです。


また生まれて初めて食べたハンバーガーや
バーベキューの味は忘れられないほどおい
しく、周りにいつもアメリカの食品やお菓子
があったことがうれしくてたまりませんでし
た。


日本にはまだ、大型ショッピングセンターも
なければ、マクドナルド、ケンタッキー、デニ
ーズさえもなかった時代ですから無理もあ
りません。


また当時は今のように気軽に海外へ旅行
するような時代ではなく、アメリカの情報も
雑誌などで入手していたわけですから、一
種のカルチャーショックでもありました。


こんな子ども時代を過ごしていたため、ア
メリカへのあこがれが夢と同時に少しずつ
蓄積されていったわけです。


中学時代にはアイビールックが大流行し、
アメリカ東部アイビーリーガーたちのファッ
ションをお手本にして、自分も、婦人画報
社の「メンズクラブ」を参考書代わりに小
脇に抱え、VANジャケットのボタンダウンに
綿パン、リーガルのスリッポンが定番スタイ
ルと決めていました。


この頃には、もう完全にファッションからし
てアメリカントラッドの世界にはまってい
て、部屋中アメリカングッズを飾っていたの
です。


そして大学時代、アメリカ建国200年祭
で盛り上がっていた頃、初めてアメリカへ
往復の航空券だけで旅立ち“Do it
Yourself" の旅をして益々アメリカへのあこ
がれが大きくなっていったわけです。




    “コロニアルハウス誕生”


前述の通り、アメリカ大好き少年時代を過
ごした後、某航空会社系の旅行会社へ就
職し、添乗業務やアメリカ方面の手配を担
当し、渡米すること30数回。


欧州や東南アジアを旅した時より、やはり
自分はアメリカの風に吹かれていたいと強
く感じるサラリーマン生活を送っていまし
た。


そんな時期に、兄の会社を手伝うため、旅
行会社を退職し、インテリアコーディネータ
ーとして再出発した時、ちょうど、すかいら
ーくが新しい展開としてアーリーアメリカン
スタイルのレストラン「イエスタディ」を企画
したのです。


そのプランニングに立ち会った関係で、店
舗ディスプレイのためにアメリカン雑貨をか
き集めていた経験が、やがて独立して自
分の店をオープンすることにつながってい
くのです。


学生時代から傾倒して行った“アメリカン
カントリー”の世界を、もっと日本の皆さん
に広く紹介したい、本場の香りを伝えたい
との思いから、店を開業する決心をしまし
た。


当時は、“アメリカンカントリー”という言葉
さえも日本ではまだあまり浸透してなく、実
際、お店として営業していたのは、「アント
ステラ」・「コーハウス」・「デポー」さんぐらい
しかありませんでした。


店造りに当たっては、どうせやるなら、徹底
的にこだわり、他では手に入らない素朴な
カントリーグッズだけを直輸入し、国産品は
一切置かずに、アメリカの片田舎のカント
リーショップの再現を目指しました。


当時は、インターネットなどない時代、海外
とのやりとりは、手紙を出すしかありませ
ん。

カントリー雑誌を頼りに、200通以上手紙
を書いて、カタログ請求から始め、返事の
あった半分ほどの業者のうち、50箇所位
から商品を送ってもらいました。


苦労して、また数ヶ月かけて届いたダンボ
ールの箱を開けるたびの感激はひとしおで
した。本当に大げさでなく部屋中に本場ア
メリカの香りが立ち込め、ここには本物の
アメリカがあるという思いでした。


自分が店を開くに当たって、店名を「コロニ
アルハウス」とした理由には、大きく2つあ
ります。


その1つは、アメリカが1500年代から長
い植民地時代、通称“コロニアル・デイズ”
を経て、独立を成し遂げてきたところから、
自分もその独立精神にあやかりコロニアル
という文字を使いたかった事です。


もう1つは、上の写真の様なコロニアル様
式のシンプルな住宅が好きで、店の造作
もコロニアル・スタイルにしたかった事か
ら、「コロニアルハウス」と決めました。

また店の外壁も好きなコロニアルブルーに
塗りました。


子どもの頃からのアメリカへのあこがれ
や、学生時代・社会人時代といろいろな
思いを込めてアメリカの独立記念日に合
わせて、1987年7月4日「コロニアルハウ
ス」は誕生したのです。






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